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試験内容の一覧を、表3−1に示す。腐食疲労試験は、バラストタンク内のより厳しい腐食条件を想定し、温度40℃の人工海水条件で実施した。なお、構造モデルの高温海水中での腐食疲労試験は本研究が始めてである。また、中型試験片の基礎データを取得するために、大気中の試験も行った。
さらに、中型試験片の構造特性の把握および試験結果の解析に供するため、三次元FEM応力解析および溶接残留応力計測(X線法、応力弛緩法)を実施した。

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表3−1 中型試験の内容

 

3.3 応力解析および溶接残留応力計測結果
角回し隅肉溶接部を有する、小型(図2.1.3−3)、中間型(図2.1.5−1)および中型の3種の試験片のFEM応力解析結果を、図3−2(σ:計算値、So:公称応力)に示す。同図は、スチフナ角回し溶接ビード止端近傍のフェース上の試験片長手方向応力分布である。ビード止端部の構造的応力集中は、高い順に中型。中間型、小型である。なお、ビード止端部に着目した場合、中間型試験片はほぼ中型試験片の構造要素を模擬している。また、FEMによる応力解析結果と試験片で実測した応力とは一致していた。
上記、3種の試験片の応力弛緩法(ひずみゲージ貼付)による溶接残留応力計測結果を、図3−3に示す。角回し溶接ビード止端部の溶接残留応力は、試験片によらずいずれも降伏点相当と推定される。

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図3−2 FEM解析によるフェース上の応力分布

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図3−3 フェース上の残留応力計測結果

 

 

 

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